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HAIR 3D VIEWER
毛髪構造 教育用3Dビューア
企画・制作:
L'Arca 伊藤未来之/株式会社フィラーレ 佐原龍一
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ご利用にあたって
断面の基本形状(真円寄り/楕円/扁平)は毛包の形で決まる生得的なものです。本モデルでは、ダメージによる膨潤・収縮と輪郭の乱れを強調して表示しています。
CMCの厚さは文献により約25〜60nmと幅がありますが、いずれにせよ本モデルでは視認のため大幅に誇張して描いています。
各構造の変化の度合いは、教育目的の相対的な表現です。特定の施術・製品による変化を定量的に示すものではありません。
健康な毛髪のキューティクルは1本あたり6〜8枚が重なっているとされていますが、本モデルでは1枚1枚の重なりと剥離を見分けやすくするため、模式的に4層で描いています。キューティクル層全体の厚み(約4μm)は文献値の範囲内です。
各構造の色は、構造を見分けやすくするための便宜的な割り当てです。実際の毛髪組織がこの色を呈するわけではありません。
キューティクルは本来ほぼ無色透明であり、見た目のツヤは色ではなく光の反射によるものです。
CMCは、キューティクルどうしの間・キューティクルとコルテックスの間・コルテックス細胞どうしの間の3か所に存在します。本モデルではこの3か所を分けて表示しています。
空洞は生じる部位によって大きさが異なることが報告されています(メラニンがあった部位では数100nm、間充物質の部位では100nm以下)。本モデルでは2種類に分けたうえで、視認のため大きく誇張しています。メラニンが失われた位置に大きな空洞を配置する表現は、理解を助けるための模式的な単純化です。
コルテックス細胞の横断面での大きさは文献値(短径2〜6μm)に基づく概数です。本モデルでは投影時の視認性を優先し、対辺幅5μmで均一に描いています。実際の細胞の大きさ・形は一様ではありません。
メデュラは空気を含んだ蜂の巣状の空洞が縦に連なった構造とされています。本モデルではその断面を模式的に示しています。また、メデュラは太い毛には多く、軟毛や産毛には存在しないこともあります。
オルトコルテックスとパラコルテックスの分布は模式的な表現です。実際の境界は毛髪ごとに異なり、毛の長さ方向にらせん状にねじれているため、本図は断面の一断片のみを描いたものです。境界の角度に特定の意味はありません。
オルト/パラコルテックスのシスチン含有量については文献により記載が異なるため、本モデルでは全ての文献で一致している「膨潤しやすさの差」のみを扱っています。
本モデルのくせ毛は、波状毛と連珠毛を切り替えて表示できます。捻転毛(ねじれ)は扱っていません。連珠毛の太さの周期変化は毛の長さ方向の変化であるため、横断面図では高さのつまみを動かしたときの太さの違いとして表れます。1枚の断面だけでは判別できません。
くせのある髪では、やわらかいオルトコルテックスと硬いパラコルテックスが断面の中で偏って分布しています。オルトコルテックスのほうが薬剤の影響を受けやすいため、ダメージが断面の片側に集中しやすくなります。本図ではこの偏りを分かりやすさのために強調して描いています。また、実際の2種の分布は直線で分かれているのではなく、らせん状にゆるやかに移り変わります。「くせ毛はダメージに弱い」という意味ではなく、「ダメージの受け方が偏る」という違いです。
直毛では2種のコルテックス細胞が断面内に環状(同心円状)に分布し、くせ毛では左右に偏って分布すると報告されています。資料によっては「モザイク状または同心円状」と併記されており、本図は後者の記述に沿った模式図です。
内側と外側のどちらにどちらの型があるかは、資料によって記述が分かれます。本図は「外側にオルトコルテックス」を採用した模式図です。実際の断面はここまで明確に分かれていません。
キューティクル1枚の横方向の長さは毛髪外周の1/2〜1/3とされ、本モデルもこの範囲で描いています。板ごとの明るさの差は、重なりを見分けやすくするための便宜的な表現です。
キューティクルの剥離は「めくれ上がってから離れる」という模式的な動きとして描いています。実際の剥離の過程を再現したものではありません。
流出の表現は、キューティクルが剥がれた箇所から内部の水分やタンパク質が失われやすくなるという性質を示すための模式図です。流出の速度・量・粒の大きさはいずれも描画上の演出であり、実測値ではありません。
実際の流出は、洗髪時・薬剤処理時など水が関わる場面で主に進みます。この図のように常に流れ続けている状態を表したものではありません。
本来はキューティクルが複数層すべて失われて初めて内部が露出しますが、この図では層の重なりの判定を省略し、剥がれかけの板1枚につき1か所の流出として簡略化しています。
CMC が水分や薬剤の通り道であること、キューティクルが剥がれた箇所から内部成分が流出しやすくなることは複数の文献に共通する記述ですが、流出量の定量的な指標は本ツールでは扱いません。
部位ごとの膨潤の配分(CMCは1.55倍膨らむ、などの数値)は、各部位の性質に関する定性的な記述からの推定であり、文献に基づく実測値ではありません。
ダメージが進んだ毛髪については「水分を吸収しやすくなること」のみを描画しており、水分を保持する力の低下は描画に反映していません。
水分量による膨らみは、細胞そのものの膨潤より細胞間の広がりを強調して描いています。実際の毛髪では細胞内のマトリックスにも水が入ります。
F レイヤー(18-MEA)は毛髪全体の 0.1% 未満とされる極めて薄い層です。実寸では画面上に描けないため、見えるように大きく誇張して表示しています。また、実際はキューティクル一枚一枚の表面に存在しますが、本図では判別しやすさを優先して最外装のキューティクルにのみ描いています。
くせ毛は毛の長さ方向に沿って一定間隔で半回転ずつねじれ、その結果として曲がります。実際のねじれの間隔は数mm〜数cm ですが、この図の表示範囲は 0.4mm しかないため、ねじれの間隔を大きく圧縮して誇張して描いています。実際の毛はこの図よりはるかに緩やかにねじれ、緩やかに曲がります。
毛髪がねじれるのは、毛穴が回転しているからではありません。毛包(毛穴の奥の袋)が湾曲していることで、細胞のつくられ方が左右で非対称になり、片側の伸びが速くなることでねじれが生じます。
直毛は長さ方向の回転をほとんど示しません。ただしこれは、ねじれる仕組みがないからではなく、2種類のコルテックス細胞が同心円状に均等に並んでいるため、ねじれる力が打ち消し合っているためと考えられています。
キューティクルはらせん状に巻き付いてはいません。毛根側から毛先に向かって一方通行に重なる、輪状の並びです。
メデュラ(毛の中心)は、人の髪では途切れ途切れになっていることが多く、連続していないのは異常ではありません。細い髪では見られないこともあります。
メデュラは中心を通る細い筒です。この図では切り口から奥へ約5μm分を表示しています。
奥側は手前より細胞を間引き、暗く表示しています。中心の奥もコルテックスで満たし、そのあいだのCMCも表示しています。左右の奥側(手前から4層目以降)の細胞のあいだのCMCと、中心の奥の細胞の輪郭線は、表示を省略しています。
CMC の実際の厚みは 0.04〜0.06μm 程度で、この縮尺では線としても見えません。本図では大きく誇張しています。CMCの流出は、変化が分かるように実際より強調して表示しています。
縦断面ビューでは毛先ほどダメージが進んでいる様子を描いていますが、根元と毛先の差の大きさは模式的なものです。実際の差は、その毛が何回・どのような施術を受けてきたかによって大きく異なります。
コルテックス細胞の並びとねじれの向きは、構造を伝えるために誇張したイメージです。
CMC(コルテックス細胞どうしの間)は実際には細胞の間の約25nm(細胞の太さの1%以下)です。見えるようにするため約36倍に強調しています。
キューティクル1枚は、実際には毛の円周の1/3〜1/2をラップし、長さ45〜60μm・厚さ0.5〜1μmで9〜10枚重なり、表面には6〜7μm間隔の段差として現れます。本図では見やすさを優先して、手前の半周を1枚(180°)として描き、重なり4枚・1枚の長さ40μm・段差10μmに簡略化しています。
くせ毛の縦断面では、毛そのものを曲げたりねじったりせず、内部のコルテックス細胞の偏り(オルトコルテックスとパラコルテックスの分かれ目が高さとともに回っていく様子)だけで、ねじれの原因を示しています。実際の毛はこの偏りの結果として全体が曲がり、ねじれます。
ダメージによってコルテックス細胞が失われる表現について。ブリーチなどでは、コルテックス細胞の細胞質に空孔が生じ、繊維全体からタンパク質(中間径フィラメントやマトリックスのKAP)が流出することが報告されています。本図では、毛全体で細胞が失われ、残った細胞も痩せて細胞どうしの隙間が広がる、という形で表しています。失われる量は毛先ほど多く、根元ほど少なくしてあります。どの細胞が失われるかは模式的なイメージであり、実際の脱落位置を示すものではありません。
くせ毛の断面がつぶれて楕円になる様子について。本図では、断面の面積は変えずに一方向だけを短く、その直角方向を長くしています(実際の毛髪でも、くせが強い毛は断面積を大きく変えずに扁平になります)。またこの楕円の向きは高さとともに回るため、毛を横から見ると太く見える高さと細く見える高さが交互に現れます。これは毛が回転しながら伸びていることを示すための表現で、回転の周期は見やすさを優先して実際より圧縮してあります。直毛では扁平化が起こらないため、この太さの変化は現れません。
強いダメージの状態では、本図は根元側でも最も外側のうろこ(キューティクル)が失われるように描いています。ブリーチ剤などは毛幹の全長に作用するため、最外層の摩耗・脱落は根元でも起こります。内側の層は根元では残るようにしてあり、毛先ほど層が失われるという勾配は保っています。
コルテックスの量のつまみは、ダメージのつまみに連動して下がります。そのあとで動かすと、そこだけ上書きされます(コルテックスだけを健康な状態に戻して見比べることができます)。このつまみは縦断面図にのみ作用します。
高さのつまみは、横断面図の高さと、縦断面図の見ている位置の両方を動かします。縦断面図は毛の全長のうち約190μm分を切り取って表示しています。
ダメージによるコルテックス細胞の寄りかた・形の崩れ・並びの乱れは、変化を伝えるために誇張したイメージです。実際の毛髪でこのとおりの形状変化が起こることを示すものではありません。
連珠毛は、生まれつきの毛幹の形の異常です。ダメージによって生じるものではありません。日本人ではほとんど見られません。本モデルは「くせ毛には太さが周期的に変わる型もある」ことを示すための模式図です。
連珠毛の節(太いところ)の間隔は、実際には0.7〜1.0mm です。この図の表示範囲は0.4mm しかないため、間隔を約9〜12分の1に圧縮して誇張して描いています。実際の毛では、この図よりはるかに長い間隔で太さが変わります。
連珠毛のくびれ(細いところ)では、メデュラが途切れるように描いています。文献には「メデュラを欠く」とするものと「減少する」とするものがあり、本モデルは分かりやすさを優先した模式的な表現です。
拡大モード(コルテックス細胞の中)について
マクロフィブリルのねじれは、これまで調べられた範囲では
すべて左巻き
です(人の毛・羊毛あわせて644本の三次元計測による)。
左巻きであること自体は、直毛の人でも同じです。
クセの出方を決めているのは、らせんの向きではなく、
オルトコルテックスとパラコルテックスの分布の偏り
です。
オルトは中の繊維がねじれて並び、パラは毛の軸に平行に並びます。
この違いは羊毛での研究が中心で、人の毛では羊毛ほど極端ではない可能性があります。
実際のマクロフィブリル1本には、ここに描いた本数よりはるかに多くのミクロフィブリルが詰まっています。
本数・太さ・間隔は見やすさのために簡略化した模式図
であり、実測値ではありません。
ミクロフィブリルの傾きは、中心から外周に向かうほど大きくなります(二重ねじれ)。
ピンクの筒はマトリックス(KAP)がミクロフィブリルの隙間を埋めていることを示す模式表現です。実際のマトリックスは無定形のタンパク質で、筒や膜のような構造ではなく、中心部を含むすべての隙間を連続的に満たしています。
2本のマクロフィブリルのあいだも、実際にはマトリックスで埋まっています。
中の様子を見やすくするため、ここでは描いていません。
マクロフィブリルの外側に描いた透明な球は、そこがマトリックスで埋まっていることを示す模式表現です。実際の分子は球状ではなく、粒として吸着しているわけでもありません。
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さらに拡大した図についての注記
断面の32本は「輪切りにしたときの本数」です。長さ方向には同じ構造が続きます。
長さ方向に並べたテトラマーの個数は、見やすさのための表示上の都合です。実際に決まった個数はなく、同じ構造がどこまでも続きます。
呼び名は分野によって異なります。本図では「プロトフィラメント8本/プロトフィブリル4本」を学術分野の呼び方として、「プロトフィブリル8本」を美容分野で広く使われる呼び方として併記しています。どちらも断面の鎖は32本で一致します。
ダイマー内・テトラマー内の結合は、イオン結合・水素結合・疎水性相互作用によるものです。S-S(ジスルフィド)結合ではありません。
テトラマーの重なり方には複数の様式が知られていますが、本図では1種類に単純化しています。
頭(ヘッドドメイン)は、実際にはきちんと固まった形を持たない、ゆるい構造です。本図では位置を示すために球で描いています。
らせんの巻き数・太さ・すきまは、見やすさのための模式値です。実寸の比率ではありません。
アミノ酸の構造式は、システインとシスチン結合の関係を説明するための模式図です。
らせんの巻き数とねじれの強さは、見やすさのための模式値です。実際のαヘリックスはロッドドメイン全体で約85回転あり、スーパーコイルのねじれも本図より約1.9倍ゆるやかです。
「ロープは逆に撚るからほどけない」というたとえは直感的ですが、コイルドコイルが左巻きになる理由そのものではありません。7残基でαヘリックス2回転にわずかに届かず、疎水面が少しずつずれていくため、それを打ち消すように左へ巻き戻ります。
つなぎ目(L1・L12)は決まった立体構造を持たない、やわらかい部分です。本図では位置を示すためにまっすぐな棒で描いています。
以前はロッドドメインを 1A・L1・1B・L12・2A・L2・2B の7区分とする図が使われていましたが、その後の結晶構造解析で L2 という区切りは存在せず 2A〜2B がひと続きであることが分かりました。本図は現在の5区分(1A・L1・1B・L12・coil 2)で描いています。
切/繋の切り替えは結合の状態を示すもので、特定の薬剤や施術の効果を表すものではありません。
モノマー一本のらせんの巻き数と太さは模式値です。玉の並びは、一巻きあたり三つと少しという実際の値に合わせてあります。
結合の図は、立体の並びを平らに描き直した模式図です。実際の位置関係とは異なります。
ペプチド結合だけは、切れても元には戻りません。ほかの三つは条件がそろえば戻ります。
側鎖の結合に疎水結合を加えて数える流儀もあります。ここでは主要な四つを扱っています。
「アミノ酸十八種」は、調べるときにアスパラギンとグルタミンがそれぞれ酸へ変わるため、二十種から二つ減った数え方です。トリプトファンはふつうの調べ方では壊れるので、別の方法で測ります。
側鎖の結合の本数は、多さの目安として単純化した模式です。実際の毛髪では、シスチン結合の割合はこれより多く見積もられることもあります。
結合の位置はばらばらに描いています。実際の並び順を示すものではありません。
αヘリックスからβシートへの変化は、高い熱や強い引っ張りで起こることが放射光などによる観察で確かめられています。図は変化のようすを単純化した模式です。
熱で変わったものはもとに戻りにくいことが示されています。特定の薬剤や施術の効果を表すものではありません。
十八種のうち硫黄を含むのはシスチンとメチオニンの2種だけです。ほかの16種は炭素・水素・酸素・窒素の4元素からなります。「18種が5元素でできている」という言い方は、毛髪全体としては正しく、アミノ酸1種ずつで見ると正確ではありません。
元素の割合は出典によって幅があります(炭素45〜51%、酸素21〜28%、窒素15〜17%、水素6〜7%、硫黄約5%)。食事・環境・遺伝で変わるためです。本図では多い順のみを示し、数値は画面に出していません。
球の色は化学で広く使われる配色(CPK配色)に合わせています。硫黄の色は、階層4のS-S結合の色とわざと同じにしています。